外国の死刑廃止は日本に関係あるの？

　日本は、人権及び基本的自由の尊重を目的の一つとする国際連合に加盟し、生命に対する固有の権利を保障する国際人権規約（自由権規約）を批准しています。 さらに国連人権理事会の理事国にもなっているのですから、人権を尊重することは国際社会に対する約束なのです。
　
　外国の真似をするように求められているのではなく、日本は高度に発達した民主主義国家であり、人権も尊重すると世界に約束していることから、 死刑などという残虐な刑罰を用いなくとも、治安を維持し、被害者を物心両面で支援していくことは十分可能だと諸外国から考えられているのです。

　とくに日本と欧州連合EUとの間では、日欧間での経済連携協定（EPA）が、2018年7月に署名されていますが、これにあわせて戦略的パートナーシップ協定（SPA）も署名されています。

このSPA は、「民主主義、法の支配、人権及び基本的自由という価値及び原則を共有する日本とEU 及びEU 構成国が、幅広い分野における地球的規模の課題を含む共通の関心事項に関する協力を促進し、将来にわたる相互の戦略的なパートナーシップを強化していくための法的基礎となるもの」（外務省ホームページ）であり、日本の死刑制度も問題となります。
　このように日本の死刑制度は、外交上の問題点なのです。

　日本国憲法98条には、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と書いてあります。 少なくとも、「死刑廃止が望ましい」という前提に日本政府（法務省）も日本国民も立ちうるはずだと思います。