Q&A

世界中でどのくらい死刑は執行されているの?

2019年は数千人と言われているんだよ。
どのくらい死刑を執行したのか正確な数字を公表していない国(中国、北朝鮮)もあって、正確な数字はよくわかっていないんだ。

死刑を執行した国の数は、2019年では、198カ国中20カ国。中国、イラン、サウジアラビア、イラク、エジプトが死刑執行の上位5カ国だよ。

ちなみに、日本では2018年は15人、2019年は3人に対して死刑を執行していて、ほぼ毎年死刑を執行しているよ。
えっ!そんなに!?
日本はもっとずっと少ないと思ってたよ!

おひさま弁護士のよくわかる解説

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)の報告では、 2019年に世界20カ国で657件の死刑執行が確認されています。ただ中国は数千人の死刑を執行していると思われますが、国家機密であり、この数には含まれていません。北朝鮮も死刑執行数を明かにしていません。

日本の場合、2011年の執行はゼロでしたが、2012年は7人、2013年は8人、2014年は3人、2015年は3人、2016年は3人、2017は4人、2018年はオウム真理教関係者を含め15人、2019年は3人に対し死刑を執行しています。

★日弁連「死刑を考える」ホームページ
「死刑判決は増えているのですか-厳罰化する日本」
死刑の執行は増えているのですか-2010年は2人を執行」

おひさま弁護士コラム

★コラム キリスト教だから死刑廃止なの

「ヨーロッパは、キリスト教だから、死刑廃止なんじゃないの。」という人がいます。

でも実際には、ローマ・カトリック教会は、中世からの長い間、死刑を正当化してきました。20世紀後半になってから、この立場について教会内部でも疑問が出されるようになりましたが、信者に対する教理の手引きである「カテキズム」には、「教会の伝統的な教えによれば、違反者の身元や責任が完全に確認された場合、それが不当な侵犯者から効果的に人命を守ることが可能な唯一の道であるならば、死刑を科すことも排除されていません。」として死刑を容認していました(「なぜ教会は社会問題にかかわるのか」96頁。日本カトリック司教協議会 社会司教委員会。)

「カテキズム」の文面を変更し、死刑はいかなる状況においても容認できないと明記したのは、2018年8月2日のことです。

「カトリック教会は数世紀にわたり、極端なケースに関しては死刑を容認してきた。しかし、2005年に死去したヨハネ・パウロ2世の在任中に立場が変化し始めた。バチカン(ローマ法王庁)は今回の改定については、死刑に全面的に反対するローマ法王フランシスコの姿勢が反映されたと説明している。

新たな教理は、「死刑は個人の不可侵性と尊厳に対する攻撃であり、容認できない」と述べ、教会は世界規模の死刑廃止に向け「決意を持って」働いていくとしている。」https://jp.reuters.com/article/vatican-idJPKBN1KO0I1このように「キリスト教だから死刑廃止」なのではなく、教会内部での長い議論をへて、ようやく2018年になって、「死刑はいかなる状況においても容認できない」と明記することになったのです。