本当に日本には死刑は必要なの?

日弁連 死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明

りす
4月26日の死刑執行に対し、日弁連は下記の会長声明を出しました。また、東京、第二東京、兵庫県、愛知県、福岡県の各弁護士会も会長声明を出しました。
 
死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明
 
 
 
本日、東京拘置所において、2名に対する死刑の執行が行われた。谷垣禎一法務大臣による2度目の執行であり、かつ、前回の執行から僅か2か月余りでの執行という極めて遺憾な事態であり、当連合会は改めて死刑執行に強く抗議する。
 
当連合会は、本年2月12日、谷垣法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して、死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し、死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し、死刑制度に関する世界の情勢について調査のうえ、調査結果と議論に基づき、今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと、そのような議論が尽くされるまでの間、すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。その直後の2月21日に3名に対する死刑執行がなされた際には、会長声明によって執行に強く抗議するとともに、谷垣法務大臣に対し、改めて同趣旨の要請を行った。これらの当連合会の要請を無視して僅か2か月後に行われた死刑執行は、到底容認することができない。
 
また、谷垣法務大臣は、死刑制度の運用に当たっては「十分慎重に考える」旨表明してきたが、その検討の経過や結果が明らかにされておらず、むしろ、未執行者数を抑制するために積極的に死刑執行を行っているとの疑いを払しょくできない。我が国の死刑制度が持つ様々な問題点は、当連合会のみならず国際社会も指摘しているところである。谷垣法務大臣は、いたずらに執行を急ぐのではなく、一度立ち止まり、こうした問題に正面から向き合うべきである。
 
当連合会は、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開し、法務省に有識者会議を設置する等の方策をとることによって、死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。
 
 
2013年(平成25年)4月26日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司
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